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意識を戻すと、龍二は環の髪にそっと触れた。
「彼女さんとは仲直りした?」
触れ合う隙間の中、そう発言した環の言葉にドキリとした。
喧嘩のようになっていると言った覚えはなかったし、彼女が言うように未沙とはあれから、表面上仲直りしていた。
「えっ?喧嘩してるって言ったっけ?俺。」
「ううん、彼女とえっちしてないって前、言ってたからそうかなって思ってただけ。
違った?」
「…いや、違わない。うん、何とか元サヤなのかな。」
そんな事を言うと、これから先、環が会ってくれなくなるんではないかと不安になり、言い淀んだ。
龍二は完全に環とのセックスに溺れていた。
彼女には欲情する。
未沙を大切にしようと決心した気持ちはあるものの、環から逃れられない。
もうこれ以上話したくないと言うように、半ば強引に環を抱いた。
備え付けられていたゴムを付け、彼女の中で果てた。
未沙との行為とはやはり違う。
「あれ?ゴムがない。」
「えっ?本当に??」
環が焦った様子を見ると、嬉しくなり思わず笑ってしまった。
彼女の素を見るのが好きだった。
「ククッ、ごめん、嘘。」
環は怒ったフリして、わざと軽く彼を叩く。
恋人のようなじゃれあいだった。
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