*君しかいないらしいから。

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「……俺のこと、見て?」 え、見てる……じゃん。 ん? まあいい。 そっちがその気なら、とまた“目を逸らしたら負け”という謎のゲームを一方的に再開しよう。 きっと涙目であろう私の目と自分の目を合わせた圭は、また笑う。 満足したのか、笑いながら私の頬から手を離して腕時計を確認し始めた。 切り替えが早すぎませんかね!? という心の声が聞こえたのか、江原のぶつぶつという声が聞こえた。 この状況を説明してるのか!? 江原の咳の独り言はいつもほとんど理解できないけど、今回はちゃんと聞くから私を論破とかしてほしい。 説き伏せられるのは、一周回って快感だと私は思う。 それを言えば、江原は引いたように距離をとったけど、実にわざとらしすぎて傷つかないし興奮すらしない。
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