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「ねぇ……ユウくん。もしかして……化粧してる?」
「!!」
私の進撃の突っ込みに、あからさまにギクリと肩を上げるユウくん。
そのユウくんの反応に、自分の顔がひくひくと痙攣していくのがわかる。
「……もしかして。それも私の化粧道具使った?」
一層怪しげな眼差しで、理解不能すぎる自分の彼氏を蔑むように眺めると、一気に不快感を顕にしたユウくんが、噛みつく勢いで反撃してくる。
「はぁ!?んなもん使うかよ!!これは自分の――……っ!」
そこまで堂々と言い切ってから、しまったとばかりに手のひらで口許を押さえるユウくんに、硬直する私。
は?なに??
自分のって言いました??
どういうこと!?
固まったままピクリとも動けなくなった私を横目で見上げた後、諦めにも似た溜め息を吐き出すユウくん。
ボリボリと淡い茶色の髪を掻きむしるという数秒間の時間稼ぎを経て、ぼそりと告白する。
「趣味だよ。……趣味。」
「は?」
眉間に皺を寄せまくって首を突き出す私を、細めた眼差しで一見すると、完全に開き直った様子で恐ろしいカミングアウトをした。
「っ、だから!
俺……女装が趣味なんだよ。」
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