第1章

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シーンと静まり返る室内に、チーンと残念な鐘を鳴らす私の頭。 帰宅してから今までのユウくんの奇怪すぎる行動の謎が解明して、結果、ますます釈然としない私の内心。 「……女装が趣味とか、冗談やめてよ。気持ち悪い。そういうのが好きな男の人って、どうかと思う。」 ユウくんの趣向を全否定して、冷たい視線を投げる私に、嫌悪感丸出しの睨みを利かせてくるユウくん。 「なにそれ、すげー偏見。これでストレス発散してんだよ。お前に迷惑かけてねぇし、別にいいだろ。」 「………………。」 ユウくんの言い分に、ぐっと喉が詰まる。 私に対抗してユウくんの口から溢れた言葉たちが、私の中の開けてはいけない袋を刺激していく。 ストレス発散? 私に迷惑かけてない……? 「……ふざけないでよ。ストレスって何のストレス??ユウくん、私が働いてる間もここでゴロゴロしてるだけじゃん。」 自分の口から溢れ出す低い声。 私のがユウくんの何百倍もストレス溜めてる。 今日も、昨日も、その前も。 私が毎日必死になって働いていた間も、ユウくんはここでこっそり女装とかいうふざけた趣味を楽しんでいたのかと思うと……。 脳内を駆けるイライラが、頭の頂点まで容赦なく痛め付けてくる。 我慢してるのに。 私のがいっぱい我慢してるのに。 私の心と体が限界まで強ばっていくのに、ユウくんは気づかない。 「家でゴロゴロってお前な。今日は出てないけど昨日は面接行ってきただろ。俺だってな、何社も何社も落とされ続けたら……色んなもんが溜まってくんだよ。」
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