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「別れるって言ってんの!!今すぐ出てってよ!!」
今日まで溜めに溜めてきた感情を、すべて吐き出すように声を張り上げると、すっと高くなる目の前の影。
そのまま無言で私の横を通過して、背後で開閉するリビング戸。
その数秒後――重たい玄関扉が、激しく揺れる音がした。
「………………。」
私の主張に反論もせずに、あっさりと出ていったユウくんに、目の前が蒼然とする。
「っ、はは。」
口から漏れる、乾いた笑い。
こんなに毎日働いて働いて……ユウくんと一緒にいるために身を削ってきたのにさ。
別れたくないの一言もなく、私の前から姿を消すんだ。
崩れ落ちるように、その場にしゃがみこんで……頬を濡らす冷たい涙。
……よかったじゃん。
大きいお荷物がいなくなって。
もう、二人分頑張らなくていい。
もう、ユウくんは……ここにいない。
この切羽詰まった生活からも、働かないユウくんを見るたびに感じていたストレスからも、やっと解放される。
……解放されるのに、なんで。
こんなに涙が溢れるんだろう?
私、大友ミサ(おおともミサ)。28歳。
三年間つきあった甲斐性なしの彼氏と――クリスマスイブ前夜に、とうとう別れました。
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