プロローグ

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「いいおっぱいしてますね」 とりあえず話しかけてみた。 いやジッとしてるし、お互い緊張しているからな。 話しかけ方としては最悪だが、誉めるという入り方は良いと思う。 死んだママンが言ってたが、女は何歳になっても誉めてもらいたい、そういう生き物だと。 返答も変化も相手には起きない。 なにしにきたとか聞いて呪いにきたとか言われても困る。 とりあえずパターンは三つまで絞り込めた。 ひとつは学校の誰かがイタズラ。 ひとつは幽霊。 ひとつは空き巣。 二で確定しそうだけど決めつける奴はすぐに死ぬんだ。 常に予測できる最悪の未来を考えて行動する奴こそ最後までしななくてすむ。 「…………………こ、殺す」 不意に聞こえたが、コイツかんだぞ。 しかし殺伐としててやだな。 声色から二十代後半ぐらいか。 低い声だが、綺麗な聞き取りやすい声だし。 体は未だに動かない。 首が動くだけじゃなにもできないが、俺には口がある。 お互い、硬直状態が続く。 つまりこれは達人同士の戦いだ。 向こうは向こうでこちらをやる気満々で俺は俺でその肢体を舐め回すように見ている。 不思議と恐くない、むしろ好きになったと思う。 「打開案とかないの?例えば俺の寿命を半分やるからあんたが復活するとか?そういうのならいいよ」 なんて軽口を叩いてみたり。 彼女が持つとても優しい雰囲気が少し感じられたからそれがそんな軽口を言わせたのかもしれない。
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