第一章

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俺、三神瞬は朝に弱い。 大量の目覚ましが鳴り響き、やっと起きるぐらいにだ。 「ひゃあ、な、なんですか」 いつものように鳴り響くそれは俺には聞き慣れたものだが、今の声は初めて聞いた。 いいのようのない不快感が睡眠を妨げ、本来なら後三分ほど寝れたのに起きてしまう。 「………誰かい………」 体をベットから起こし声がした方に視線を向ける。 俺のベットは恋人が出来たらようにダブルだ。 ベットの端の方にそれはいた、思わず声を止めてしまう。 一糸纏わぬ姿なのだろうか、首もとまでタオルケットで隠している。 いや問題はそこではない。 なぜ女が、しかも風貌から察するに俺より年上で大学生ぐらいか? あ、目線があった。 顔は、そうだな、好みだな。 可愛いというか、美人系? しかし顔が隠れるぐらいに髪が長いな。 「へ、変態っ!?」 「ち、違います」 違う?変態ではないのか?知らない女が推定だが裸で部屋に居座っている。 これを変態以外で表す言葉が俺の辞書にはない。 少なくとも一般人も同じだ。 俺のなんとも怯えたような姿に動揺したのか、やっと彼女から声を発してくれた。 「昨日……覚えていませんか?」 昨日…………深く覚えていないが、ビデオみて幽霊が出て………よくみると幽霊のその人で間違い無さそうだ。
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