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カナダのオンタリオ州(首都オタワ)の森林に生息する大陸狼の亜種である森林狼は、イヌ科イヌ属に属する哺乳類動物である。
狼の中で最も体長が大きく頑丈な体つきをしており、灰褐色から白い毛に覆われ、四十センチから五十センチの長い尾を持つ。夜行性で、鹿、猪、野兎、齧歯(げっし)類などを食す。
鋭く釣り上がった食肉目の双眸に獲物を捕らえ、最高時速七十キロで二十分も走り続けことができる。
そして二キロ以上先にいる獲物の匂いを感知できる驚くべき嗅覚を持っているのだ。
狼は群れで狩りをする動物だ。その群れを率いるリーダーをアルファと呼び、その下はベータ、最下位はオメガ、と厳格な優劣順位が位置付けられている。
この社会的な狼の群れをパックと云い、アルファ雄とアルファ雌の間に産まれた一年目の子供と、二年目の子供でパックが形成されている。つまり殆どの狼の群れは、血縁関係である。
狼の子供は成長し一歳で成体になるが、性的には成熟していない。二歳を迎えた時点で性的に成熟したとき群れに残る狼も居れば、伴侶を求めて群れを去る狼もいる。
又は現在の群れの上位に君臨しようとしたが闘いに敗れ、群れを去りゆく狼もいる。どんな理由にせよ、群れを去るということは一匹になるということであり、これが“一匹狼”の語源である。
一匹狼を経験した狼、そして一匹狼からアルファに君臨した狼達は言う。
我らの体に流れる血は、鮮紅色の誇り――――
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