90(続き)

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90(続き)

 ミニスカートの東園寺(とうえんじ)彩子(さいこ)に続いて、柔術場裏の物干し台にのぼった。ゆったりとリズムを刻み、左右に誘惑するように揺れる幼馴染(おさななじ)みの尻に目が引きつけられてしまう。自分でも奇妙なほど興奮しているのは、相撲部の後藤と体力の限界まで闘ったせいだろうか。  それともサイコの兄、カザンの異種格闘技戦というより一方的な残虐ショーを見せられたせいか。ボクシング部の横沢の鼻は手術で元の形にもどるだろうか。木製の階段の先をゆく女生徒のスカートの裾(すそ)から、タツオは必死で視線をひきはがさなければならなかった。  秋の日を浴(あ)びて、白い胴着が一列に並んで干されていた。柔軟剤のいい香りがするので、女子部員のものかもしれない。サイコは高い空のした、板張りの物干し台の隅にいき、両手を手すりにかけ、タツオを振り向いた。
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