第4章 体感三十六℃の勘違い

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 次の日の放課後、あたしは陸上部の部活を覗きに行くことにした。 別にアキを見に行くわけじゃなくて、速い子がどんな走り方をしてるか研究するためだ。 男の子より女の子のほうが参考にはなるかもな、と思いながら、菜種と二人で帰りがてら校庭を覗いた。 リカは用事があるとかでさっさと帰った。 「えーと瑠璃、時原どれだろう」 「アキを見に来たわけじゃないよ」  菜種にも、リカにも、夜、アキと練習することになったってことは話してない。 ……なんとなく、言いそびれてる。
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