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それによく考えてみると、あれだけ過保護なお兄ちゃんが、お母さんほどあたしの閉所恐怖症を深刻にとらえてる節がない。
そのうち治んだろ、ヘタレめ、みたいな感じなんだ。
お兄ちゃんも、何も知らないのかもしれない。
思い出せそうな、気がした。何かを思い出せそうな気がした。
あのエレベーターの中で。
電車の轟音、狭い場所、あたしを力いっぱい抱く小さな身体。
時計を確認する。
こんな時間にまた外に出たら、お母さん、今度こそ送っていく、とか言いかねない。
明日だな。
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