第1章 午前八時の三角定規

31/44
前へ
/341ページ
次へ
「瑠璃、何浮かない顔してんだよ? あ、今日振られたからか。ついに俺らにも全員カレカノができる時代が来ると思ったらあっさり振られやがって」  そうだった。あたし、今日振られたんじゃん。 だから困ってたんだった。二人の前でうっかり口を滑らせた。 「あと二か月くらいはアキに黙っててくれないかな。そのへんになったらさりげなく話すからさ。さしあたって、四人でどっか遊びに行く、って案にどう対処すべきかなんだよね」 「そんなのお前の男が当日腹痛起こしたとかでよくね?」 「えー。三人で行くの? 軽く気が重いんだけど。それよりはリカと洋平に行ってもらいたいと思って相談に来たんだよ」
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

767人が本棚に入れています
本棚に追加