第1章 午前八時の三角定規

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「洋平―、瑠璃固まっちゃったじゃない! 瑠璃はまだおつき合いの真似事くらいしかしたことないお子ちゃまなんだよ。アキは瑠璃にとって、女の子に興味ない、出会ったころの幼稚園児がそのまま身長だけ伸びた、みたいなイメージなんだよー」 「……」 「ケケっ! バッカじゃねーの瑠璃のガキっ。うるせーから瑠璃には黙っとけ、って釘刺されてたけどあいつ中学ん時、告られてつき合ったことあるしな? まあ短かったけど」 「……」 「もうっ! 洋平いい加減にしてよー。瑠璃、完全に凍結しちゃったよ! 瑠璃―瑠璃ってばー」 「……」 「瑠璃には瑠璃のアキ幻想ってものがあるんだよ! この子の幻想を壊したら、もうあんたとはお別れだからねっ」
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