第1章 午前八時の三角定規

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ちなみに残りの一人、一番おちゃらけてるヨクは最初っから学力的に潮東は無理で、他の男子校に通ってる。 それでも今も、アキ、ヨク、洋平は仲良しでしょっちゅうつるんでる。 「なんだかなー」  あたしは横を向いて落ちてきた髪の毛を指でくねくね曲げて遊んだ。  正直、リカと洋平がつき合い始めた時も言葉にはしにくい不思議な気持ちがした。 嬉しいけど、どこか寂しい、みたいな。 でももう小さい頃からお互い好きなのは目に見えてわかってたから、来るべき時がきたんだな、ってすんなり納得した。  でもアキ……。 自分でもこれがどういう感情なのか理解に苦しむ。
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