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暖かい日差しが降り注ぐ春の日。
三度目の試験で、私はやっと合格した。
みんなからおめでとう、と祝福されて制服につけてた研修のバッチを外す。
これで研修生という立場から脱出し、晴れて一人前として認められるようになる。
凄い嬉しいけど、三度目かぁ。
竹ちゃんは二回って言ってたっけ。
休憩のために控え室に戻りながら、私はふと考えた。
竹ちゃんは仕事ができる。
何でも素早いし、良く気が付く。
人にだって教えるのが上手い。
それなら2回で受かって当たり前かぁ。
あの激ムズな試験は一回では絶対無理だし。
ん?
そういえば私、最近竹ちゃんのことを良く考えるなぁ。
前よりも仲良くなったからなのかな?
まーいいか。
楽観的で特に何も考えず過ごしていた私は、数日後、思わぬ事実に突き落とされることになる。
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