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「ふぅーー……。」
長いため息をつく。
手に握りしめていた携帯の時刻は、14:30と表示されていた。
私は篠崎結菜。
年は20で、フリーター。
今日は、記念すべき新しいバイトの初日。
半月前にダメ元で受けた温泉施設のバイトは、あっさり通りその数日後連絡があった。
志望動機は至って単純だ。
温泉という珍しい場所で働いてみたいから。
右手に携帯、左手に真新しい制服が入った紙袋を持ち、スタッフ用の裏口へと向かう。
番号は…
1808…っと。
裏口のドアに設置されているボタン式のセキュリティ画面に、予め知らされていた番号を打ち込む。
すると、ガチャッと解除を知らせる音がしてドアが開いた。
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