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PM12:30 昼食
両親と共に席に着く。
直前に屋敷を脱走しようと試みたものの、執事に連れ戻された模様。
本日のメニューは、ピンナ貝のスープに根菜のサラダ、スイルーのムニエルにリモンを添えたもの、デザートはベスコのシャーベット。
「なあマリーナ、今日の晩餐会なんだが…」
「イタタタタ、急にお腹がー」
「そんなすぐバレるような嘘ついてまで行きたくないのかね…。頼むよ~、あの家とは最近あまり付き合いが無くてな~、向こうさんのご機嫌を直すとっかかりが欲しいんだよ~」
「クォーラル様のお家には貴方と年の近い殿方もいらっしゃってね、たしかカントナータ様といったかしら、貴方と話が合うかもしれなくてよ?」
「何ですかそれ、お父様は私なんかいなくてもそんな貴族の一つや二つ丸め込めるじゃありませんか。
…縁談なのですか、そういうことなんですね!!」
「いやそういう訳じゃないんだがね、まああれだ、向こうさんも茶飲み友達を探してるらしくてだな、」
「昔は怪物退治もされていた方でね、お顔もお話もきっと貴方、気に入ると思うわよ?」
「もう完全にお見合いの話じゃないじゃないですか!!もういいですお腹いっぱい、ごちそうさまでした!」
食事の途中で、席を立ってそのまま戻ってこなかった。非常に珍しいことである。
「あー、やっぱり詳しく話さないで黙って引っ張っていくべきだったか…」
「ねえあなた、これ見てちょうだいな。マリーナのお皿、こんなに残しているわ」
「おや、いつもはちょっとどうかと思うほど綺麗に残さず平らげているのに…」
「そういえばさっき、お腹痛いとも言ってたわね。…あの子、大丈夫なのかしら」
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