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15:30 手芸
教養を身につける授業の一環。お茶をたしなみつつ、靴下に刺繍をあしらう。
講師は、執事が兼任する。
「貴方の気に入らないところはね、そんな大きい図体してるのに、お茶を入れるのも刺繍も私よりずっと上手なところ」
「執事ですから」
対象は、技術はある程度身に付けているものの、それを奇抜なデザインで自ら帳消しにしている。
「お嬢様、その文様は…」
「スライムよ。右足に一個、左足には七個縫い付けてあるのがポイントなの♪」
「ああ、両方あわせるとキングなスライムに…って履かせるかそんなもん!!」
「だめ…?」
「駄目にきまってるでしょう。晩餐会どころかそれを履いて外出するのもアウトです。ほどいて下さい」
「ちぇー。…ところでアーストは何を縫っているの?」
「お嬢様のドレスにレースを。流石にお嬢様のお年で装飾が一切無いドレスは、ハードルが高いでしょう」
「素材で勝負できてないって意味だったら刺すから」
「何とでも」
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