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「いつまでも子供のままでいたいとか、守られたままでいたいとか、そういうのじゃないの」
「承知しております」
「早く大人になって、貴方に守ってもらわなくてもいいようになりたいし、もっとモンハンにも行きたいし、世界中を旅して回りたいし、父様にあとを任せられるようになりたいし、大人になってやりたいことはたくさんあるの」
「でもね、大人ってつまらないとか、心底下らないって思う時もあるの。ギルドの人達を知ってからは特に」
「ギルドの人達は、そりゃほとんどの人が私より年上で、私より強くて面白くて、バカ騒ぎばっかりしてるようだけど私には想像すら追いつかないような悲惨なことも沢山見てきたはずで、でも、みんなどこか子供なところがあるの」
「面白そうなこととか、嫌いな人とか、美味しいご飯とか、強い敵とか、守りたいものとか、そういうの全部に一生懸命で、まっすぐで、一途で」
「社交界とか商売の世界と、つい比べちゃうの。パーティーでの水面下のドレスの自慢大会とか、そういう中身の何もない人たちと」
「でも、最近思うの。だんだん私、あの下らないご婦人方の方に近づいていってるって」
「もう子供じゃないんだからって、だんだんあの婦人たちの間に交じらされて、その内ドレスと宝石とゴシップにしか興味がない、危険な仕事と一生懸命を見下す一婦人に、染められてしまうことが怖いの」
「今も興味おありじゃないですか、ドレスと宝石とゴシップ」
「ドレスは売り物としてしか興味無いわ」
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