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「そんな青臭いことを仰るとは、お嬢様もまだまだコドモですね」
「ああいう話や集まりを下らないと思っている方々なら、社交界の中にもいらっしゃると思いますよ」
「ただ皆様、仮面を被っているだけです。それぞれの小さな世界に溶け込むために。ただそれが、だんだん侵食してきて自分のものになってしまうことも 多々あるようですが」
「その仮面をいつでも取り外せるようにしておけばよいだけですよ。そういう方もまたかなりいらっしゃります。例えば貴方のお父上とか」
「あの人は身内とペットを溺愛してるだけでしょう?」
「まあそうとも言えますが。あと一つ誤解があります。お嬢様はギルドの人員をかなり美化していらっしゃいますが、あいつらはただのアホです」
「あら、いいじゃない。バカな癖にあの人たちを見下して知った口きくアホより数段マシよ」
「お嬢様、それは一体誰を指しているのですか」
「噂だけで人を判断してはいけないとは思っているわ。でも、モンハンの話もできないでギルドの人を見下す人と、私はお付き合いしたくない」
「いや、ですからお父様のお仕事のためを思って…」
「私は養われている身だけど、もう大人よ、だってお父様が本格的に縁談を進めようとする位なんですもの。私を大人と認めてくださるなら、お父様も私の意見を聞き入れてくださらないといけないわ」
「さっきまで大人になるのが怖いとか言ってたくせに、また屁理屈を。まあ、いいでしょう」
「ご主人様と相手方には、お嬢様は体調が思わしくないと伝えて置けば、察して下さるでしょうし。私としましても、お嬢様が昼食を残されたことが気がかりでして」
「そういえば、今日はちょっと多かったわね。消化不良かしら。…じゃあ、消化に良いものを食べに行きましょう!」
「わざわざ外出されなくても、何かお作り致しますよ」
「調理場の使用人たちに悪いじゃない、せっかくの休みなのに。それに、私どうしてもあの味が恋しいの」
「何だかんだ理由つけて、結局あの場所に行きたいだけじゃないですか」
「いいでしょ、早くアインス=ヒアインに、特製オムライスを食べに行きましょうよ!」
「承知致しました。お供させて頂きます」
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