第1章 アーサーとアレックス

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だからこそ通える者たちが精一杯学び、下の者たちに教えるのが主流だった。 アレックスの家系は貧しい訳ではなかったが、学術区に通ったのは姉という立場である彼女だけだ。 もっとも、彼女の妹は魔術を扱う才があった為、学術区に行くだけ無駄かもしれないが・・・・・・。 妹の名は『テレクサンドリア』、『テレサ』と呼ばれている。 話が大分ズレてしまったので、元の話に戻ろう。 そんな訳で王宮で何かあったのかと不安になったのも、アーサーにそんな表情をさせた理由の1つだった。 そしてもう1つ 今目の前にいる幼馴染である彼女、アレックスについても、アーサーは心配していた。 彼女は華奢な体に似合わず、この国で唯一の女性王国騎士であり、中でも国王の側近騎士団である『円卓の騎士団』の一員でもある。 円卓の騎士団に属するものには称号が与えられる。 それは、創設当時の団員たちの名前であり、その称号を得られることは名誉あることである。 そして、その称号は自らのミドルネームとして、名乗ることを許されているのだ。 逆に言えば、この国でミドルネームを名乗っているということは、円卓の騎士団に属する騎士である ということだ。
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