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―その頃。京郊外 某舘―
少年
「っん、は!や………あ、ぁあぁんッッ?!」
夜
「いけないね。『声は出さぬように』と言ったはずだよ?」
『くすくす』と艶然に笑いながら、夜は少年を抱いていた。恍惚な表情を浮かべながら、少年は躰をくねらせ、『こくこく』と頷きながら、声を殺している。
まだ、丸みの残る頬の輪郭と、未成熟な躰つきから察するに、恐らく『元服前』なのであろう。宵ほどではないものの、見目麗しい少年だった。
それでも、夜が『声を出すこと』を禁じたのには、ちゃんとした『理由』がある。それは、夜の脳裏には『宵の姿』が描かれているから。返ってくる反応も、洩れる吐息も『宵のもの』と、想像して抱いているからだ。
―夜を『満足』させられるのは、宵だけ―
宵を拾った当初から、夜毎『調教』するように抱き続けた為、宵の躰はしっかりと『夜好みの躰』に、作り替えられていった。
顕著な反応も・洩れる吐息も。躰を跳ねさせながらも、ヨガって喘ぐ宵の『淫靡さ』は、夜を夢中にさせた。
―宵以外の、誰を抱いても『満たされない』のだー
なのに。その『唯一満足させてくれる』宵が帰って来ないのだ。
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