運命の夜 

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朝ごはんを食べ終わりゆっくりしていると、ドクンッと心臓が大きく脈を打った。 「うぐっ…。はぁはぁ…。」 これが意識を落とす前触れである。 そして、彼はまるで眠るかのように意識をシャットダウンした。 そこは白い世界だった。 他には何もなく、地面も天井もない。 病院とは全く違う空間だった。 正直言って異常な世界と言えよう。 白、以外の色合いがなく感覚がおかしくなってくる。 でも、奥行きはあるようで腕を伸ばせば伸びるし、脚だって浮いたままだ。 この世界では不治の病なんてものは関係がない。 腕だって動くし、脚を使って歩ける。まぁ、浮いてるのだが。 意識を落とすようになってから、最近ハッキリとした空間になってきた。 最初はほとんど気づかなかった。 本当に認識できないほどだったのだ。 今ではそんなこともなく自分がわかるし、まるで現実世界のような感覚に陥るようだった。 そして何より気持ちがよかった。 ここでは自由に動けるのだから、当たり前の気持ちだった。 でも、そんなに長くは続かない。 終わりは突然にやってくる。
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