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「うわすっげ! ランすげーな!」
亜紀はいつもの調子でヘラヘラしてるけど、その図太さに感心する。
黒・茶・金・赤・緑。
刈り込み・坊主・スキンヘッド。
様々な頭が一様にこちらに向いてる。
昔一宮と付き合っていた時だって、ここまでじゃなかった。
「何だ、コレ……」
思わず茫然と呟いた。
「クイーン、来たんだな」
そんな中、奥から出てきたのは奥田だ。
「何コレ」
もう一度尋ねれば、奥田は楽しげに笑う。
「昨日、晃が宣言したんだよ。
お前を姫として迎えるって。
その後全員に、お前を姫として全力で守り、全力で迎えろつったもんでこうなった。
中もすげーぞ?
お前用のドレッサーとソファーとミニ冷蔵庫用意させたからな」
前はあれだけ嘲笑ったくせに。
ちょっと相手してもらったからって総長の女にしてもらえると勘違いした馬鹿女って大笑いして、水ぶっかけて突き飛ばしたくせにこの変わりよう。
「やめて。今すぐやめさせて」
イラッときても仕方ないと思う。
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