第1章

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だらけきって雑誌を読んだり喋ったり。 そんないつもの姿とはかけ離れた光景に、少し驚く。 「どうしたの?」 亜紀をつかまえて尋ねれば、いつものヘラヘラ笑みが返ってきた。 「あ―ウチ今出れねえし、総長も外出れねえから変なの出てきたんだよ。 他のこーこーの不良とか、ヤンキーとか! 店でめーわくかけたり物壊したり、財布とったり無理矢理ナンパしたりな。 けっこー酷いから龍皇が出てシメんだ!」 それは一応、営業妨害とか器物破損とか盗難とか暴行を防いでるってことで。 「……いいこともするんだ」 ちょっと見直した。 「しつれーだな! 龍皇はウチの組が、力がありあまって暴れてる奴に力の使い道を作ってやるって目的ももって作ったんだぜ!」 「あ―ごめんごめん」 「心こもってねーなー」 「だってさ、一宮に捨てられた瞬間馬鹿にされるわ、攫われるわ、かと思えば手の平かえしてちやほやされるわだよ? あんまりいいイメージないって」 「そりゃそうだけどよー」
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