第1章

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そんな話をしていると、また携帯が鳴りだした。 いつの間にか下に降りてきていた一宮と幹部達。 佐東が電話に出る。 「片付いたか?」 〈ああ、でもちょっとまずいことになった〉 静まり返った倉庫では、電話の奥の奥田の声も筒抜けで、思わず聞きいった。 〈最近、2丁目で暴れてるヤンキー達いただろ?〉 「ああ、ドラゴン連合とか名乗ってる奴らか」 〈暴れてたのそいつらだ。 色々破壊活動して、女に無理に声かけてまわってたって。 で、その女の一人が抵抗して金メッシュの男蹴ったらしいんだよ〉 「金メッシュ? リーダーの山田かな」 〈だと思う。どーする?〉 「知らないよ。関係ないだろ」 冷たく返したのは佐東だ。 「そーだよ、別にそんな女どーでもいーじゃん!」 それに橘と、 「とっとと帰ってこい」 西山も続く。 「女の子、見捨てる気?」 思わず四人を睨み付けた。
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