第1章

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「まあいいや。冷蔵庫に何もないし、商店街に買い物にいこ」 「らじゃー!」 「見張りの人に声かけてくるね」 新しいマンションは前のところの目と鼻の先。 当然、神田組に優しい商店街がすぐ傍にあって、そこへの外出は許されてる。 護衛の組員さんはあまりに多いと気づかれるから、一宮とは反対隣の部屋に二人と、一宮のもう反対隣の部屋に一人の計三人。 出かける時は必ず誰かに付き添ってもらうことになってる。 とりあえず隣の部屋にいる組員さんのどちらかに付き合ってもらおうと、部屋の扉を開けた。 その時だった。 「あ、えっと……ラン」 部屋の前には所在無げに立つ龍皇総長であり、昔の恋人である一宮晃の姿があった。 まあ、向こうからしたらギャルに付き合ってやってる、くらいの感覚だったろうけど。 そして、その隣には副総長の西山啓吾の姿もある。
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