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「何?」
思わず不機嫌な声が出た。
「あ、えーと……俺達、隣の部屋に住むことになった。
竜神会の組が一斉に襲撃受けてるから、ことが鎮静化するまでは避難ってことで」
「うん、聞いてる」
短く返せば、今度は西山が口を開いた。
「倉庫に来る件も了承してくれて感謝してる。
みんなお前のこと姫としてちゃんと守るっつってるから」
「別に。隅で適当に本読んだりしてるから、そっとしといて」
「そうはいかない。歴代の先輩達にもちゃんと、神田佑のことを龍皇の誇りにかけて守るって伝えた。
統也さんの嫁ってことで、皆さん賛成してくれてる。
姫として、倉庫でもそれ相応のもてなしをさせてもらう」
奥田達はまだわかる。
あいつらは何だかんだ言って単純だから。
でも、生理的に、そして大事な大事な一宮をたぶらかす存在として私を嫌っていた西山がここまで言うなんて。
とりあえず驚いた。
「……まあ、邪険に扱われるよりはいいけど。
私の相手は亜紀がしてくれると思うから、気にしないで」
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