第1章

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翌日から、龍皇に通う日々が始まった。 「そんな気合いいれなくたって大丈夫だって! みんなイイ奴だから!」 亜紀は言うけど、そうはいかない。 「そのイイ奴らに、一宮に捨てられた瞬間嫌がらせされまくったの! 水かけられたし突き飛ばされたし足ひっかけられたし笑われたし! 初めて倉庫に連れて行かれた時はめちゃくちゃヘコヘコしてたくせにさ!」 嫌われるのは別にいい。 家でも学校でも、ずっとそうだった。 でも、見下されたり馬鹿にされたりするのは大嫌いだ。 自分が惨めに思えてくる。 しかも私が統也と結婚しているのは、周知の事実。 私が馬鹿にされるのは、統也の評判を落とすのと同じこと。 そんなの、絶対に嫌。 あんな奴らに統也まで馬鹿にされてたまるか。 その一心で、朝からクローゼット部屋に引きこもった。 有り難いことに、メイク道具一式は組員さん達が持ちだしてくれていた。 高校生の厚化粧は引かれるモト。 肌はBBクリームで整えるだけ。 眉は濃い目のブラウンで、細めにしっかり描く。 瞳は今お気に入りのボリュームマスカラとアイラインで、パッチリ猫目。 それにダスティピンクのチークと、ラメの入った薄ピンクのルージュで色味を足す。
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