学び舎に降る血の雨

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自分達二人はゆっくりと顔を上げて花ちゃん先生の方を見た。 が、 「もう全く……高校生をなんだと思ってるのかなー。 遊んではっちゃけて後で死ぬほど後悔してこその高校生なのに」 花ちゃん先生は既に流し台の方に移動してマグカップに飲み物を作っていた。 有栖川さんの反応を見る限り今のは空耳じゃないはずだ──流石にいくら自分と有栖川さんでも二人揃って空耳はない。 「……あれ? 二人とも帰んないの?」 数秒の間花ちゃん先生を二人で見つめていたがその視線に気付いたのか不思議そうな顔で花ちゃん先生が振り返った。 今のは……。一瞬逡巡したが自分達は口を開く。 「すいません先生」 「今何かおっしゃいましたか?」 「え? 『帰らないのー?』って……あっもしかして部活に──」 「入りません」 「じゃなくてその前です。俺たちが帰る準備始める前」 自分の質問を聞いた花ちゃん先生は、 「ああ! 先生は君たちのことなんでも分かってるんだからね! だからもしなんかあったら先生にら相談してくれるといいよ!!」 花が開いたかのように満面の笑みを浮かべて答えてくれた。とても自然に。 「そう、ですか」 「──まあ考えときます」 「うん! 待ってるからね!」 それに自分達はどう返事をしたらいいのかわからず、当たり障りない返答をし、取りあえず頭を下げた。 荷物は既に拾い上げてるので二人並んで足早に保健室の扉へと向かう。 『先生ありがとうございました、失礼します』 「うんまたね!」 もう一度、今度は深々とお辞儀して保健室を後にする。先生はまた満面の笑顔を自分達に見せてくれた。
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