学び舎に降る血の雨

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* 「あ!先輩方お疲れ様です!」 『お疲れー』 可愛い。癒される。この際有栖川君と言葉が被って死にそうになったのとかどうでもいいや。 ついさっきまでは自分達と同じように学校が終わったのか学生と思しき人物達がゾロゾロと入店して来て店内はそれなりに賑わってい多様に思えたが、今はもう夕飯を食べるにしても少し遅いくらいの時間でお客様も数える程だけ。 ちょうど時間だし店長に確認するともういいよとのことなので有栖川君と二人仲良くスタッフルームに帰ってきた。 『いらっしゃいませ、店内でお召し上がりですか?』 『ご一緒にナゲットはいかがですか?今ならプラス一〇〇円でお付けできます』 自分の仕事はこの二つの言葉を武器にニッコリと定価ゼロ円の笑顔を貼り付けてお客様の相手をすることだ。 自分としてはレジ番より奥で三分クッキングやってる方が楽しいのだがパートのおばちゃんが少ない今の時間帯では数少ないXY染色体だから仕方ない。 他店舗ではそうでもないらしいがうちの店長の方針で女の子のほうが見映えがいいとかそんな浅い理由で自分はレジに立たされている。加えて言うなら自分そっくりの有栖川君も隣でレジをしているくらいだからまあ愚痴ったところで。 そんな面倒な仕事から二人揃ってちゃんとレジで買ったコーヒー片手に扉を開けると出迎えてくれたのは小野朝美ちゃんだ。 彼女は高校二年生で自分達と同級生なんだがこのバイトを始めたのは自分達が先なので先輩先輩と慕ってくれるいい子なのだ。後自分と違って胸がでかい、隣の有栖川君の視線がすぐ下に落ちる程度には。 ガンジス川で溺れないかなこいつ。
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