学び舎に降る血の雨

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「待ってたんですよ先輩方!一緒に帰りましょう!」 「いつも思うけど小野さん家真反対だよね!?」 「店の入り口まで一緒は一緒に帰るとは言わないよ朝美ちゃん!?」 「いいんです!私先輩達大好きですから!」 可愛い。結婚しよ。 こんな風に細心の注意を払いながらちょっと変わった朝美ちゃんと他愛ない話を繰り広げる。自分達のテンションがおかしなことになってるがこれは割とデフォルトだ、平たく言えば猫を被ってるとでも言うのか?この表現嫌いだけど。 朝美ちゃんは笑顔と巨乳をポキュルンとかキャラリンとかそんな馬鹿っぽい擬音が付きそうな動作で振りまきながら自分達の相手をしてくれる。 唾棄することにたまたま二人揃ってコーヒーの蓋を外して砂糖とコーヒーフレッシュをぶち込みながらそれを眺めていた。有栖川君と同じところに視線が言ったのはとても死にたくなるけど。 「あ!先輩達ちょっと休憩してから出るんですね!私も待ちます!」 「いや待ってくれなくてもいいよ?どうせ本当にそこまでなんだから」 「本当だよ?女の子の一人歩きは危ないんだからね」 「いやそれ今さらじゃないですか?まあそんなに言うなら日向先輩に送迎の権利を差し上げましょう!」 「マジかよ、クーリングオフできるかな?」 「よく分かんないけどニュアンスは伝わりましたよ!?女の子が送ってって言ってるのにその返答はおかしくないですか!?」 「クーリングオフってのはな──」 「いや説明求めてませんから!」 そんな二人のやり取りをはたからコーヒーを啜りながら眺めてる。 いつも思うけど朝美ちゃんは有栖川君狙いなのか?我がゆるふわ愛され系後輩(同級生)の趣味が悪すぎてむしろ哀れに思えてくる。 ま、人間の心なんて有栖川日向にはわかんないけど……って言うと何とか人間っぽくなるよね。
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