学び舎に降る血の雨

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『で、話ってなんなんですか?』 「っ!そうだよちょっと二人ともそこに座りなさい!」 粗方片付けを終えそう言えばと思い出したように自分達はここに呼び出された理由を尋ねた。 彼女は今保健室の自分のデスクの椅子に座っている。机に向かって作業するときなんかとは逆に机に椅子の背をくるりと向けてこちらに向いているのだ。 そして座れと言われたがここには椅子なんかはない。部屋の端にはまあ有るのだがわざわざ取って来いと言うのか地面に座れとでも言うのか、とりあえず言ってみただけなのだろうけれど。 なお、誤解の無いように言って置くがこれは神様のいたずらの女神の微笑み的なアレが奇跡的に重なってタイミングが合っただけだから。有栖川さんと同時に同じ言葉を発してしまうなんてこんな無能な喉を掻き毟る嫌だから。重ね重ね誤解のないように。 結局立ったまま、身長的に座ってる花ちゃん先生を見下ろす。先ほど小さく『あっ……』と声を漏らしたから多分この人も今思い出したんだろう、人をわざわざ呼び出しておいて。わざわざ。 花ちゃん先生はコホンと咳払いを一つ。 「……いいかい?君達をここに呼び出したのはね────」 花ちゃん先生は腕を胸の下で組みその豊満な胸を強調して足を組む。彼女は確かに大人だ、だからこそそういう立ち振る舞いをすれば一つ一つから大人っぽさが感じられるのだが…………。 『今更ですね、あんなにガキくさかったくせに』 「ふぇっ!?」 椅子の上でバランスを崩してズッコケる。自分達は現実でふぇっ!?とか言っちゃう二十二歳に全身の鳥肌が総立ちだ。 「単刀直入に言ってくださいよ面倒くさい」 「私これからバイトあるんですよ手短に済ませてください」 「あ、俺もあるんで」 やれやれと椅子の上で飛び上がった花ちゃん先生を見冷たい視線で見つめる。花ちゃん先生は何も言い返さず──── いや震えてる?
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