学び舎に降る血の雨

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人は自分の顔を何かの媒介が無ければ見ることができない、写真とか鏡とか。 けれどこと有栖川日向においては簡単だ、ちょっと横を向けばいい。少々髪は長いが目の前に自分と同じ顔が浮かんでいる。 チラッと横を見た。有栖川君は右を、有栖川さんは左を向いて顔を向かいあわせるように。 有栖川さんの顔は酷いものだった。顔は真っ青、口は怪しく歪みアニメのように目がグルグルと泳いでいて?には滝のような汗が流れている。ちなみに背中も汗ビッショリだ。 つまりは自分もこれと全く同じ顔を浮かべているのだろう。まあなんというか、 『せ、先生……冗談でも────』 あ、吐く。 「うぇっ!?いきなりどうしたの二人とも!?」 喧しく大きな声を上げるが息ピッタリに息絶え絶えなのは有栖川日向。その声やめろ、頭ガンガンする。 不意打ちとは恐れ入った。いつもは心構えをしているからかたかが嫌悪感がとめどなく溢れ出して世界と一緒に盛大に自殺したくなる程度なのに不意打ちならここまで深いダメージを与えられるなんて思ってもみなかった。 正直立ってるのもやっとなほど嫌悪感が吐き気と頭痛として襲い掛かり足元が覚束ない。最終防衛ラインは今のところなんとか守っているが見てる間に突破されてしまいそうだ。 一種のアレルギー反応とでも言うのか、とりあえず体調はあまり……というより全く芳しくない。 この通り立ってられないので片膝を立てて自分達は地面に崩れ落ちた。ヒンヤリとした硬い床の感触が心地よい。なんとか必死に息を整える。 花ちゃん先生は自分達の様子を見てアワアワしながら『こういう時は……』とマニュアルみたいなものを捲っていた。誰だよこの無能を保健医にした無能は?
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