あふれる想い～second～

甘い夜と新生活

メインの肉料理を食べ終えた頃、明かりが消えて、ケーキが私たちの所へ運ばれて来た。

「冴木様。本日はお誕生日おめでとうございます。これは、私共からのサービスでございます」

今日は、孝哉くんの25回目の誕生日。私も、バッグの中にプレゼントを用意している。

「ありがとう。お言葉に甘えていただきます」

チョコレートのプレートに、クリームで見事なスペルが書かれたケーキ。思わずスマホで写真を撮った。

「すみません……あまりにも見事なので」

「いえいえ、喜んで頂けて光栄です」

私の誕生日は年明けだから、少しの間だけ１歳差になる。

ケーキは、甘さ控え目でも美味しくて、お腹いっぱいの筈なのに、半分ペロリと平らげてしまった。