甘い夜と新生活

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以前、私がしている時計を見て、こう言っていた。 『いい時計してるね。文字盤が見やすいし、結衣に似合ってる』 だから、お揃いのものがないか探すと、運良くメンズ用があったから、予約して買っておいた。 「孝哉くん、これ……誕生日のプレゼントなんだけど………」 顔を見る事が出来なくて、目をギュッと閉じたまま、ササッと包みを差し出した。 彼は、目を見開いて驚いていたけれど、カサカサと音がしたから、開けてくれていると思った。 「これ………腕時計?しかも、結衣とお揃いの!?」 「う、うん………。ダメだった?」 不安になって顔を上げた瞬間、体を強く引かれて抱き締められた。
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