第1章 - マテリアル -

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「本日も大気マテリアル濃度は、安定してをり、通信状態は良好でしょう。」 ほぼ毎日変わらない、『良好でしょう。』を聞いてから、ニュースを閉じる。 大気マテリアル....... 11年前、マイクロマシン圧縮保管施設の大規模火災により、大量のナノマテリアルが、大気中に爆発飛散した。 事故から、わずか3日、たった3日足らずで、この世界のほぼ全ては覆われた。 飛散したナノマテリアルは、あらゆる環境にも耐えた。極寒の地でさえ、灼熱の地でさえも。 何処のメディアか、何処の学者か、何処の政府機関が、そう呼びはじめたかは、わからない。いつしかそれは、大気マテリアルと呼ばれていた。
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