私の印籠に跪きなさい

告知

白い――

真っ白な空間に――

声が響き渡る――

『おめでとう、幸福な人よ。貴女は選ばれた。神は貴女と共にある』

――ああ、なんだったかな、これ……。

そうだ、『受胎告知』

天使ガブリエルが、処女受胎をしたマリアに告げた――あれだ。

真っ白な空間を見渡し、声のする方向を見る。

そこには一人の男が立っていた。

真っ白な空間に負けず劣らずの白い布を巻き付けた――光輝くオッサンが。

…………。

……齢18年。

オタクと腐った女子をやってきたからわかる……。

これは……このパターンは……

『おめでとう、幸福な人よ――』

「それはもう聞いた」

オッサンにすかさずツッコミを入れる。

「何回も何回もエコーかけて言うなや。頭に響くわ」

光輝くオッサンが深々とため息を吐いた。

「……も、マジでこいつしかおらんかったんかい。適合率100%のやつはこいつしかおらんかったんかい」