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リエーネは、ショレインだけアリーナにいい扱いをされて正直羨ましいと思っている。
この2人の関係が崩れないかな、なんてことまでひそかに考え出していた。
「おっちゃんブルーハワイ一点」
「あいよ。300ガーデな」
「ほい」
革製の財布からキラリと光る硬貨を取り出しアリーナはそれを店主に渡す。
この時期にもなると昼頃には気温が急激に上がり、何か冷たいものをどうしても食べたくなってしまう。
そういう時、アリーナは決まってこの屋台のかき氷ブルーハワイを購入する。
「毎度あり。いつもありがとな、剣士のにいちゃん」
「いいってもんよ。かき氷一杯ぐらい安いもんだって。この前の事件に比べりゃな、あの時は町中に迷惑をかけちまったし、その罪滅ぼしみてえなもんだ」
二カッ、と白い歯を見せてはにかむアリーナを、店主は何だか複雑な心境で見ていた。
「剣士のにいちゃんがいいやつでよかった。町をめちゃくちゃにされても、悪いやつには思えんのだ」
「おっちゃん、あんた意外といい人だな。かき氷もう二点ほど、追加しとくぜ」
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