800人が本棚に入れています
本棚に追加
倉森の押し殺したような息遣いが聞こえると、もう駄目だった。
耳元に溢れる吐息に、胸がキュンと締め付けられて危なかった。
律動はなく、ただ繋がっているだけ。
ただ、それだけでも――……。
「…っ、ちょっと、力抜け…っ」
「……っんんッ…!!」
声が、聞こえるだけで、ダメ!
「友…っ」
いつもスカしているこいつが焦っている声でダメ。
体の中がジンジンと痺れて、熱くなる。
込み上げてくる。
「友…っ、おい、聞いてんのか…!?」
「…ぅあぁ…っ!!」
ダメだ。
体が…!
変な感じだ…っっ!!!
「ッッッ!!!!!」
その瞬間、何かが込み上げて来て、全身に力がこもった。
ビク、ビク…!と心が震える。
ヤバい、オレ、なんだか――――………。
「おい、友…!?」
倉森の声が、遠のいて行った。
最初のコメントを投稿しよう!