二人三脚でお幸せに!

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体育祭の練習が本格的に始まり、学校内の熱気も外気温の暑さもうなぎ登りに上昇していっていた。 二人三脚で校庭を半周ずつ奔走。 それでバトンを繋いで行って、1位を競うというもの。 学年対抗なので、これは得点には入らない。 だけど優勝クラスが次年度のパンフレットに載るということで、みんな大いに燃えていた。 そんな中。 「マジでかったりぃ…」 ぼやく男、一名。 放課後の練習。 みんな体操服に着替えて練習を始めていた。 どのクラスもマジもマジ。 本気モードで火花を散らす。 西の呟いた一言に、葵がカチンと顔を歪めた。 「あんたねぇ!そういう輪を乱すようなこと言わないでよね!」 女子は誰も、西に強気には出られない。 それが暗黙のルールというか、それが西の容姿のパワーというか…八重子たちが呆気に取られて口を開けていた。 「すごい…!可愛い女ってのは誰が相手でも怯まないのね!!」 それを聞いてオレは苦々しく笑顔を作り、葵の元に近寄ろうとした。 が。 「ぅわ!?」 後ろから首根っこを掴まれて、動きを封じられる。 こういうことをしてくる奴は一人しかいない! 「何するんだよ、倉森っ!!」 バッと振り返ると、偉そうな顔をした倉森が立っていた。 「俺らはあっちスタートなんだよ。さっさと行くぞ、猿」 「~~~~~!!」 付き合ったからと言って、優しくなるようなこいつではない。 前と変わらず、みんなの前では猿って言うし、偉そうな瞳は常時健在。 でも、まぁ…。 あーゆー時は“友”って呼んでくれるけどな。 あーゆー時がどういう時かって? んなこと聞いてんな、野暮野郎ッ!! ニヘラ、と頬が緩んで、倉森に連行される。 「……アホ」というボヤキもなんのその。 そんな光景に、女子が恨めしげな視線を向けているとは気付かない。 赤石とペアになったらしい麗子が悔しさに拳を震わせているなんて、全くもって気づくはずがなかった。
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