第1章 (現在)初デートは失敗

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 追いかけて止めたとしても 良幸にはどうしたらいいかは分からなかった。  遠ざかる明利。  立ち止まったままの良幸。    ドジ少年には 女の子の気持ちが分からない。分かるのは彼女を怒らせたことだけ。  良幸は自分がダメな男の子で ふられたと思いこんだ。 『あーあ せっかく 付き合ってくれたのに 失敗しちゃった。もう明利さんと口もきいてもらえそうにない』と ため息をつく。  良幸も 男の子となら ふつーにしゃべって ふつーに遊べるのに どうして好きな子の前だと ふつーになれないのだろう? 『今 やっちまったバカな事を みんな消して。過去にもどれればいいのに』と 思う。  帰っても 姉に話したら バカにされるにちがいない。ゆううつ・・・  さっきは元気に飛んでいたコウモリも見えないほど暗くなっている。気持ちも暗~くなる。  良幸は落ち込んで 心も不安定になっていった。  空に浮かぶ月も悲しみにかすんで ぼやけていた。
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