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再び三日月。セミの声が聞こえ なま暖かい風がふく
遠くから「姫 姫~」と呼ぶ声が聞こえる。
「あ 爺やよ。かくれて」
花姫は良幸と大きな石垣の裏にかくれる。
良幸は過去を思いだした。
『何これ?前と同じことしている!』
時間がからまわりしている?
爺やが現れ 姫を探しているのが見える。
花姫は「シ―」と言って かくれる。
「爺やに見つかる前に 富士丸様に会うの。いやな人なら一生かくれてやる」
爺やは遠のいて行った。
花姫 は生きていた時代の中で からまわりしているのだ。
『大変だ!前と同じことをくり返されてはたまらない』
良幸はあわてて 前とちがうことを考えて言う。
「富士丸さん きっと来るよ」
「来ない方がいいわ」
「え」
「姫は良幸様の方がよいな~」
「だめだよ」
結果は 前と同じ。
からまわり からまわり
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