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≪side kii≫ 「わっ、」 男の雄たけびは、学校中から、イヤ、この一年の教室がある3階中から聞こえてきた。 ビクッっと体を動かした彼女は後ろの真壁っちが後ろから両肩をつかんで支える。 ……真壁っち、馴れ馴れしいぞ…… 僕がジトっと真壁っちを見たけど、アイツはちらっと僕を見ただけでフッと笑いやがった。 ……んにゃろー!お前、担任だろうが!! 「お前らー、静かにしろー!!席がえするぞー」 「えっ!真壁っちー、いきなり席替えー?」 「そうだぞ。姫の近くに座りたくないかー!」 え、なにその、ウルトラクイズ的なノリ…… 「……まぁな。俺の隣に座らせてやってもいい」 ふと声がした方を見たら、白鳥が腕組みしてニヒルに笑ってた。 「……俺様?」 姫ちゃんがぽつりとつぶやいた言葉に吹き出す僕。 「ぷはっ!!そうそう、それそれー!!」 「ふん、なんとでもいえ。お前、今に俺のそばから離れられなくしてやるからな」 「あははっ、すげー!」 ビシッっと姫ちゃんを指差して宣言した白鳥クンに、姫ちゃんは思いっきり顔をひきつらせてた。 「さぁさぁ、お前ら。ごちゃごちゃ言わずに、くじを引け!!」 「真壁っち一人うかれてるよねぇー」 「俺だけが浮かれてるって?ふっ、テメェらそれでも隠し切れてると思うなよ。俺が何年教師をしてると思ってる!テメェらの感情くらい、手に取るようにわかってらぁー!!」 「マカベー、誰からくじ引くんだっての」 「そうだなー、良いこと言ったな、西嶋。じゃあ、まずは、桜」 「えっ、私?」 「うん、だね!姫ちゃんが最初に引くと良いよ!」 こうして始まった席替えは、姫ちゃんが窓際にあたって。 その周りの席、争奪戦へとなだれ込んだ。
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