怒り(立尾 雄・たちお ゆう)

4/4
214人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「やめッ、ヒイーッ!教師に、教師にこんな、うあッ!ギヤァッ!」 悲鳴がなぁ、可愛くない もっと、嬉しそうな声は出せんもんかね ま、恐怖を植え付ける為にやってるんだがな 「凄い・・・・・・同じ場所に鞭を打ち下ろしてる」 「おい、お前ら見てないで、ソイツらの縄を解いてやれ」 二人居るとは思わなかった 金髪一人なら、コイツらに捕まってなかったかもな この小さい真面目の固まりみたいな黒髪は、金髪とどういう関係だ 「許してェッ!ヒイーッ!ごめ、ごめんなさッ、ハァウッ!」 もう少しかな 後数回打って肌を裂けば、この熊は堕ちる 「ごめん岡本君。僕のせいで、本当にごめんなさい」 「・・・・・・嫌な姿見せてしまったな。でも、智也のせいじゃない。智也を守れなくて、俺こそごめん」 智也・・・・・・うーん? 分からねえ 「おい、其処の奴、お前だ。熊をムービーで撮れ。他の奴も携帯持ってるなら構えろ」 そろそろ、やらかす筈だ 見たくは無いが、完全に抹消しないと同じことを繰り返す 金髪が苦しむ姿も、康太は悲しむから徹底しないと 「あ〝ーッ、見るなァ、アアアァァッ!」 「ゲェッ、小と大漏らしたぞ!クセェッ、ウゲェ」 マジで、くせぇ 熊だからな、肉ばかり食ってやがったのか 「お前らも風紀室に来いよ。それと金髪。一人で動くな、困ったら康太に連絡しろ」 「康太に言ったら悲しませる。智也は、やっと出来た友達なんだ。それが、制裁受けたなんて知ったら」 康太の友達? 成る程ね、この真面目で平凡な男が康太と一緒に行動したから、クソ親衛隊が動いたか 「だったら尚更連絡しろ。康太が動けば横手と俺が動く。そこの黒髪が康太の友達を続けるなら、だが」 「僕は康太の人柄が好きなんだ。康太に嫌われない限り、友人を続ける」 クソ真面目そうで小さなヒョロイ男、コイツの身体に興味はない 興味はないのに、やけに気になる 負けん気の強そうな瞳のせいか? 「分かった。覚えておく」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!