苛立ち・・・・・・②

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「俺は、仁と違ってさあ。時間かけて解して貰わねえと、辛いのなんのって、言葉じゃ言い表せない」 キラキラと目を輝かせ、村山の前でメモを構えた 「村山君の初体験、どんな感じ? 痛くて、泣いたりした?」 「は? え、いや、まあ」 ポッと頬を赤らめ、もじもじとする 村山の筋肉の動きが、最高なんだよな 海亀の甲羅のような腹筋と、厚い胸板を仰け反らせ 快美の呻きを洩らし 「ああ・・・・・・、やめて」 イキながら懇願されると、堪んねえ 鎧のような堅く分厚い太ももを、無理矢理開かせた時の怯える姿も・・・・・・って アイツの初体験、俺のような気が 「おい! その質問」 うっとり話す村山の横で、徐々に項垂れ 「テクニックの凄い人で、指だけで何度もイカされてさ。胸をコリッと歯で扱いたりされて、最高に悦かった」 「うん」 頷きながら、ズビッと洟を啜り 俯いたままニ、三歩後ろに下がった 「ティッシュあるかな。鼻がたれちゃって、恥ずかしいや」 震えた声に、胸がズキッと痛む やっぱり、無理だ 泣かすなど出来ない ビーッと洟を噛む姿さえ可愛く見えるって、終わってるな。俺 装甲車のような肉体を持つ村山が、工藤に甘えるのを確認し 華奢な背へと、近付く 「・・・・・・・・・やだなぁ、分かってたつもりだったのに、ごめん亅 赤く染まる目を、俺に向け 「嫉妬、しちゃった」 くしゃっと顔を歪め、唇を噛み締め震える智也の 柔らかな頬を、ぽろりと流れ落ちた涙 「拭くな。これも俺のだ」 舌で舐め取っていく 「な、何やってんのさ」 「俺も嫉妬した。他の男のー物を眺めるお前に」 目を見開いた顔も、可愛い たれ出た洟を舐めるのは、流石に変態過ぎかもな ティッシュで、拭き取り 「知りたいなら教えてやる。フェラも全部、丁寧にな」 甘い唇に、深く口付け 印象的な瞳を見詰めながら、確信した 俺は、この瞳に惚れたのだと 「過去の弁解をする気はない。だが、断言する。愛してるのは、お前だけだ」
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