25 抱擁-1

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まるで、別人。 声と、姿勢の変化だけで、こんなにも受ける印象が変わってしまうなんて、驚きだ。 これなら、あの短い間に風間さんだと気付けなくても、仕方ないかも。 「すごい……」 思わず口からこぼれ落ちた賞賛の呟きに、風間さんは、にっこり笑みを深める。 が、課長の反応は、とても冷淡だった。 「かくし芸大会はいいから、用件をすませろ」 「はいはい。わかりました。あんまり怒ると、高橋さんに嫌われますよ」 「別に、彼女に怒っているわけじゃない」 「君は、自分も含めて、彼女以外の全てに怒っているんですよね」 「よく分かっているじゃないか」 ギロリ、と、強まる課長の視線を受け、 風間さんは、かぶっていたハンチング帽を外して、苦笑を浮かべた。
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