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「最後になりましたが、高橋さん――」
「はい?」
「僕の友人を、好きでいてくれて、ありがとう。できれば、今後とも、どうぞよろしくお願いします」
一連の私の行動が、何を原動力にしているのか見透かしたように、風間さんは真顔で、そんなことを、さらりと言ってのける。
課長は、何か言いたげに口を開きかけたけど、結局何も言わずに、渋面を作ってそっぽを向いてしまった。
――ず、ずるい、課長。
私は、どう答えたらいいんですか?
こんなときこそ、何か言ってくれなくちゃでしょう?
「あ、あの、えーと……」
『イエス』と答えれば、事実上の愛の告白になってしまうし。
でも、だからと言って、『ノー』とは答えたくない、複雑怪奇な女心。
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