二代目サンタ

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◆ なす術のない僕を引っ掛けたまま、鹿はしばらく走り続けて洋風の家にたどり着いた。 やっと暗闇以外の景色が見えたが、周りは一面銀世界。 さらにその周りは森。 この家以外に家はなく、数匹の鹿が雪の中を優雅に歩いている。 僕は乱暴に下ろされ、雪の中にめり込む。 そして鹿はそのまま仲間たちのもとに走っていってしまう。 僕は急いで立ち上がったが、雪はすでに服にしみ込んで、冷たさのあまり身震いした。 震える体を抑えるがどうしようもなく、とりあえず洋風の家を訪ねてみることにする。 この家の雰囲気から、気のよさそうな老夫婦が住んでいそうだ。 日本語通じなかったらどうしよう…… そんな不安にもかられたが、寒さの方が重大で僕は戸を叩いた。 「誰?」 そう言いながら家から出てきたのは、僕と同じぐらいの青年だった。 日本語にホッとしつつも、予想外な人物にどう対処していいかわからなくなる。 「まぁ、とりあえず家に入んな。中が冷える。」
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