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「38.5度」
衝撃の事実を訊かされてから丸1日。
俺は自室のベッドの上でうんうん唸りながら横になっていた。
「風邪ですね」
「あたまいたい……」
「冷えピタ変えましょうか」
ペリペリと音をたてて冷えピタのフィルムを剥がす浦野を見上げる。
目が熱い。息しにくい。しんどい。
多分ここ数日の疲労と心労が祟ったんだろう。おまけに昨日のあれがなかなかにショックだった。無理もない気がする。
ーーあれから。
瑛太に浦野と兄弟だって言われてからの俺の記憶はあまりない。
ただあいつが気を使って「また今度、訊きたいことがあったら教えるから」と言って帰って行ったのは覚えてる。
俺の口からこいつと兄弟になったことは伝えてないけど、何かしら関係があるのは悟っているはずだ。
ああ見えて他人のことはよく見ているやつで、そのおかげか女子から相談を持ちかけられることも多いらしい。
額に貼られたシートの冷たさに熱い息を吐いて目を閉じると浦野が布団をかけ直してくれた。
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